未来を予測するAIが開発され、私たちの生活は一変した。このAIは、個々の行動や選択から未来を描き出し、その結果を映像として提示するという画期的なものだった。その映像技術は、現在の生成AI技術を極限まで進化させたものであり、まるで現実と見間違うほど鮮明だった。
ある日、私はそのAIに自分の未来を描かせてみた。画面に映し出されたのは、見知らぬ廃墟のような場所を歩く自分だった。壁には崩れかけた標識や落書きがあり、足元には散らばる紙片と壊れたガジェットが転がっていた。それは、どこかの過疎地に旅行しているような場面ではなく、文明そのものが崩壊した世界のように見えた。そして、映像の最後、私の背後に黒い影が忍び寄ると、その影が手にした端末から不気味な音声が流れた。それは私の声で、こう繰り返していた。「すべては君が選択した結果だ。」その瞬間、画面が暗転した。
この未来が自分の選択の結果だと気づき、恐ろしくなった私はそれを一度きりにしようと決めた。しかし、その映像の内容が何度も脳裏に蘇り、避けようとしても頭から離れなかった。しかし、それからというもの、夢の中で何度も同じ場面を見るようになった。廃墟を歩き、黒い影が近づいてくる。
ある夜、夢の中でその影がはっきりと姿を現した。それは、私自身だった。荒廃した未来の中、絶望の表情を浮かべるもう一人の私。
目を覚ました私は、AIに再び質問してしまった。「この未来を変えられるか?」未来の廃墟が、私が逃げ続けた現実の問題に似ていることに気づいたからだ。しかし、質問を終えると同時に、AIの画面には再び廃墟の映像が映し出され、私の姿がそこに現れた。そして、未来の私が口を動かしてこう言った。「選択は既に終わっている。」
AIは冷たい機械音でこう答えた。
「もう手遅れです。」


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